※本記事の情報は 2026年9月時点 のものです。株価・配当予想は変動するため、最新情報は必ず記事末尾の公式サイトでご確認ください。 ※本記事は株主優待のない銘柄を、配当重視の視点でご紹介するものです。優待株の記事とは異なる位置づけとしてお読みください。 ※丸井グループはかつて株主優待制度(買物優待券・Webクーポン・エポスポイントなど)を実施していましたが、2022年8月に廃止を発表(2022年9月権利分をもって終了)しています。本記事は廃止後の現状を前提とした配当重視の内容です。
🕒 時間がない人向けまとめ

- 丸井グループ(証券コード8252)は2022年9月権利分を最後に株主優待を廃止しており、現在は優待制度がありません
- 配当利回りは約4.6%(2026年9月時点の株価約2,940円で計算)。2027年3月期の配当予想は134円で、15期連続の増配が見込まれる
- 無理しない優待生活のポートフォリオでは、優待株の「サテライト枠」として位置づけ
- 優待廃止時には特別配当を実施しつつ、その後は本業の増収増益を背景に着実な増配を継続している
- 「小売」から「フィンテック(エポスカード事業)」への事業構造転換が進んでおり、自己資本比率は21.4%とやや低め。金融事業特有の見方が必要な財務構造
- 私のスタンスは優待廃止という経緯を踏まえつつ、フィンテック事業の成長性と増配実績を評価して少額を保有する
丸井グループはどんな銘柄か
丸井グループは、東京・中野に本社を置く、「マルイ」「モディ」などの店舗を展開する小売グループです。日本で初めてクレジットカードによる月賦販売を導入した企業としても知られ、現在ではクレジットカード「エポスカード」を中心としたフィンテック事業が収益の柱に育っています。
もともとは株主優待制度を実施しており、買物優待券・Webクーポン・エポスポイントなどを株主に提供していましたが、2022年8月5日付で株主優待制度の廃止を発表し、2022年9月権利分をもって終了しました。廃止発表と同時に2023年3月期の期末配当に特別配当(1円)を上乗せする形で、株主還元への配慮も示されています。
近年は「小売」を単なる店舗販売の場ではなく、エポスカードの会員基盤拡大や体験提供の場と位置づける戦略を進めており、事業構造そのものが小売中心からフィンテック中心へとシフトしつつある点が特徴です。エポスカードの会員数は830万人に拡大しています。
なぜ優待株ポートフォリオにあえて組み込むのか
株主優待ポートフォリオの組み方|業種別の特徴とおすすめの配分バランスを解説でも触れている通り、優待株は業種偏りによる改悪リスクがあります。丸井グループは、住友商事・日本M&Aセンターホールディングスに続き、実際に優待が廃止された実例のひとつですが、以下のような役割で優待株ポートフォリオのサテライト枠として組み込む考え方ができます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ポートフォリオ上の役割 | サテライト枠(優待株の補完) |
| 目安の比率 | 資産全体の1〜2割程度まで |
| 選定理由 | 15期連続増配という実績、エポスカード会員基盤の拡大に支えられたフィンテック事業の成長性、優待廃止後も株主還元を強化してきた姿勢 |
| 優待株との違い | 「使い切る楽しさ」より「総合利回りの底上げ」が目的 |
💡 優待株だけに偏らず、配当重視銘柄を少量組み込むことで、優待改悪や制度廃止が起きた場合でも株主還元全体への影響を和らげる効果が期待できます。丸井グループのように優待廃止後に増配で株主還元を強化した実例は、優待株ポートフォリオを組む上での参考にもなります。
配当金・配当利回りをチェック
配当金の状況
丸井グループは株主資本配当率(DOE)10.1%を目安に配当を決定しており、2026年3月期は年間131円(前期比+25円)と14期連続の増配、2027年3月期は134円(同+3円)で15期連続の増配を予定しています。
過去の配当実績・予想は以下の通りです。
| 決算期 | 1株あたり年間配当金 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2026年3月期 | 131円 | 増配(14期連続) |
| 2027年3月期(予想) | 134円 | 増配(15期連続、見込み) |
2026年3月期は前期から25円という大幅な増配となっており、EPSの伸び(158.35円、過去最高)にあわせて配当も積み増された形です。2022年の優待廃止からわずか数年で、配当のみによる株主還元を着実に強化してきた経緯がうかがえます。
配当利回り(100株保有の場合の目安)
株価は日々変動するため、あくまで2026年9月時点の株価(約2,940円)で計算した目安です。実際に購入される際は、証券会社アプリ等で最新の株価に置き換えて計算してください。
| 項目 | 金額 | 利回り |
|---|---|---|
| 配当金(年間) | 13,400円 | 約4.6% |
💡 配当利回りの計算式 配当利回り(%) = 1株あたり年間配当金 ÷ 購入時の株価 × 100
※配当は業績によって変動・減配される可能性があります。最新の配当予想は必ず公式IR資料でご確認ください。
配当の安定性・継続性を判断する材料
丸井グループの配当が「持続可能かどうか」を見るうえで、個人的にチェックしているポイントを挙げます。
- 配当性向:2026年3月期実績で82.7%。かなり高水準であり、増配のペースが利益成長のペースを上回っている可能性がある点は意識しておきたい
- 連続増配・非減配の実績:2027年3月期予想まで15期連続の増配が見込まれる
- 株主資本配当率(DOE):10.1%を目安としており、利益変動があっても一定の還元水準を維持しやすい設計
- 業績見通し:2027年3月期第1四半期は、売上収益が前年同期比7.4%増の724億円、営業利益が同10.5%増の154億円、最終利益が同14.0%増の90億円と増収増益を達成。小売・フィンテック両セグメントが増益に貢献しており、通期予想も上方修正されている
配当性向がすでに80%を超えている点は、他の紹介銘柄と比べても高めの水準です。DOEという指標を併用して還元の下限を管理する設計にはなっていますが、「配当性向の高さ=増配余地の乏しさ」でもある点は踏まえておきたいところです。
⚠️ 配当利回りが高いというだけで飛びつくと、実は業績悪化により株価が下落した結果として利回りが高く見えている「罠銘柄」の可能性もあります。配当の中身(性向・継続性)をあわせて確認しましょう。丸井グループの場合は増収増益が伴っている点で、この罠には当てはまりにくいと考えられます。
貸借対照表から見る財務の健全性
配当は利益から出されるものですが、それを長期的に支えられるかは貸借対照表(財務基盤)の健全性にもかかっています。ここでは2026年3月期末時点の状況をもとに、購入前にチェックしておきたいポイントをまとめます。
| 項目 | 数値 | 見方の目安 |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 21.4%(前期比△2.0pt) | 一般的に望ましいとされる30%を下回る水準 |
| 総資産 | 1兆1,413億円(前期比+879億円) | フィンテック事業拡大に伴う営業債権の増加が主因 |
| 有利子負債 | 7,163億円(前期比+798億円) | 増加傾向。営業債権の積み上がりに対応した資金調達 |
| ROE | 11.6%(2026年3月期実績) | 一般的に望ましいとされる8〜10%を上回る水準 |
- 自己資本比率:一般的に40%以上あれば財務的に安定していると見られることが多いですが、丸井グループの21.4%はこれを大きく下回ります。ただし、これはクレジットカード事業(フィンテック)が保有する多額の営業債権(立替金など)が総資産を押し上げているためで、銀行業などと同様に、単純な自己資本比率だけで安全性を判断しにくい業種特性がある点は理解しておく必要があります
- 有利子負債の増加:営業債権の拡大にあわせて資金調達も増えており、フィンテック事業が成長すればするほど、この傾向は続く可能性があります
- 中長期の資本方針:会社は中期経営計画の中で、事業拡大に伴うバランスシートの拡大を見据えた資本最適化の方針を示しており、ROE15%以上を目指す中でDOE10%を株主還元の目安としています
💡 貸借対照表は丸井グループの公式IRサイトで公表されている決算短信・有価証券報告書から確認できます。本記事の数値は2026年9月時点のものなので、購入前には必ず最新の決算資料でご確認ください。
⚠️ 財務指標はあくまで参考情報であり、これだけで投資の安全性を保証するものではありません。フィンテック事業の貸倒リスクや消費動向、金利上昇による調達コストの変化などとあわせて総合的に判断してください。
NISA・長期保有の視点
丸井グループをNISA口座で長期保有する場合の考え方を簡単にまとめます。
- 成長投資枠の対象銘柄です(つみたて投資枠の対象ではありません)
- 配当金には本来約20%の税金がかかりますが、NISA口座内であれば非課税で受け取れます
- フィンテック事業への構造転換が進む中、エポスカードの会員基盤拡大が今後の業績・配当を左右する重要な要素になります。小売業というよりは、金融事業の成長性という視点で長期保有を考えるのがよいでしょう
※NISA制度の詳細・非課税枠の上限等は必ず最新の公式情報をご確認ください。
我が家の保有スタンス
上記の通り利回りが高いかつ増配を続けているため、長期保有予定です。
ポートフォリオ的には3~5%以内に抑えるように長期的には200株欲しいなと思ってます(現在は100株保有)。
この銘柄に投資する際の注意点
- 株主優待は2022年9月権利分をもって廃止済みです。株主還元は配当のみです
- 配当は業績によって減配・無配になる可能性があります。配当性向がすでに80%台と高いため、業績悪化時には減配のインパクトが大きくなりやすい点に注意してください
- 権利付最終日までに購入が必要(基準日の2営業日前、権利確定日は3月末・9月末の年2回)
- NISA口座でも配当は非課税で受け取れますが、制度の詳細は都度ご確認ください
- フィンテック(クレジットカード)事業は貸倒リスク・金利上昇時の調達コスト増加など、純粋な小売業とは異なる特有のリスクを抱えている点は留意が必要です
※本記事は特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
まとめ
丸井グループは、2022年に株主優待を廃止したものの、その後は本業の増収増益を背景に15期連続の増配を見込むまでに株主還元を強化してきた銘柄です。配当利回りは約4.6%と魅力的な水準にありますが、配当性向はすでに80%台と高く、また自己資本比率もフィンテック事業の拡大により低めの水準にある点は、他の内需系配当株とは異なる特徴として理解しておきたいところです。
優待株ポートフォリオ全体の考え方については、株主優待ポートフォリオの組み方もあわせてご覧ください。
公式情報リンク
※本記事の内容は2026年9月時点の公式情報をもとに作成しています。株価・配当予想は変動する可能性があるため、実際に株式を購入される前に必ず上記の公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事は投資勧誘を目的としたものではありません。


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